歩道の切り下げや縁石の加工は自分でできる?実は「市の許可」が必要です。
2025/10/06
そう思ってしまう方がとても多いのが、歩道や縁石まわりの工事です。しかし実際には、そこは市や県の管理地であり、勝手に加工や撤去を行うことはできません。
この記事では、道路加工工事や乗入れ拡幅を行う際に必要な「道路工事施行承認申請」と、現場でよく起きている誤解について解説します。
目次
なぜ「自分でできる」と思われやすいのか
- 見た目の誤解:敷地と歩道が同じ素材で続いており、あたかも自分の土地に見えて自分のものだと勘違いする。
- 説明不足:住宅会社さんや不動産会社さんが「道路加工には許可が必要」と教えないまま契約する。
- 昔の前例:「隣の家がやってたから大丈夫」「近所がしているから」と思い込んでしまう。
しかし、現在は道路法第24条により、道路管理者の承認を受けずに工事を行うことはできません。
鈴鹿市を含む多くの自治体で、道路加工や乗入れ拡幅には正式な申請手続きが必要です。
ここは誰の土地? 縁石と管理区分
見た目では判断しづらいですが、縁石(歩車道境界ブロック)やL型側溝の中心線から道路側は、行政が管理する「公有地」です。
歩道や縁石、側溝などはすべて市や県の管理区域に含まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所有者 | 市または県(道路管理者) |
| 管理対象 | 歩道・縁石(歩車道境界ブロック)・L型側溝など |
| 必要な許可 | 道路工事施行承認申請(道路法第24条) |
| 施工可能業者 | 道路工事施行承認を得た申請者、またはその委託を受けた施工業者 |
縁石(ふちいし・えんせき)の呼び方について
「縁石」と書いて、一般的にはえんせきと読みます。ただし、現場の職人あいだでは「ふちいし」と呼ぶこともあります。
呼び方は違っても、どちらも道路と敷地の境界を示すコンクリート構造物のことを指しています。
正式名称では「歩車道境界ブロック」や「地先ブロック」とも呼ばれています。
縁石や地先ブロックの種類
一口に縁石や地先ブロックといっても、設置場所や目的によって形や高さが異なります。
- 歩車道境界ブロック … 歩道と車道を分けるための高さのあるブロック。一般的な縁石です。
- 乗入れブロック … 駐車場など、車が出入りする場所に使われるなだらかな形状のブロックです。
- 地先境界ブロック … 敷地と道路の境を明確にするために設置される低いブロックです。
- L型側溝 … 雨水を流すためのコンクリート製溝型構造物で、縁石と一体的に設けられています。
これらはすべて、市や県の設計基準に基づいて設置されており、無断で加工や撤去を行うことはできません。
歩道の種類と役割
歩道にもいくつかの種類があり、それぞれ設計目的や管理方法が異なります。
- 普通歩道 … 縁石や舗装で車道と明確に区分された歩行者専用の通路です。
- 自転車歩行者道 … 歩行者と自転車が共用できる歩道で、標識や区分線で分けられています。
- インターロッキング舗装歩道 … 景観性や排水性を重視した舗装で、新興住宅地などで多く見られます。
これらの歩道もすべて市や県が管理しており、補修や形状変更を行う場合には行政の承認が必要です。
道路加工工事を行うときの正しい流れ
- 現地写真・位置図を準備
- 市役所または県庁の道路管理課(土木総務課など)へ相談
- 「道路工事施行承認申請書」を提出
- 承認後、承認を得た業者による施工
鈴鹿市の場合は、鈴鹿市 土木総務課が窓口になります。
住宅会社が教えてくれない“構造的な盲点”
住宅ローンを組むとき、誰も「前面道路の加工費用」までは教えてくれません。銀行も、ハウスメーカーも、不動産会社も、その範囲外です。
結果として、お施主様が「外構」という現実を知ってから初めて、“こういう費用もあるのか”と気づくケースが多くあります。
新築時の建築確認や資金計画には「道路加工費」はほとんど含まれず、外構は「後でやるもの」とされているため、最終的に生活に支障をきたす事例が後を絶ちません。
住宅会社や不動産販売業者は、建物中心の説明に終始しがちで、外構や道路加工の部分は「後で工事すればいい」とされることがほとんどです。
これは誰の責任でもなく、お施主様の知識不足、そして住宅を売る仕組みの中で生まれた構造的な盲点です。
街並み協定や自治会ルールがある地域の場合
分譲地の中には、「○○ヒルズ」「○○の丘」などの名称で販売された街並み協定エリアがあります。
このような地域では、道路や歩道の加工だけでなく、外構の高さ・フェンス・植栽の種類などに、自治会や管理組合独自のルールが設けられていることがあります。
行政の許可とは別に、自治会の承認や事前届出が必要な場合もあるため、実際の工事を進める前に必ず確認しておくことが大切です。
こうした地域特有のルールを理解しておくことで、後々のトラブルややり直しを防ぐことができます。
現場で実際に起きていること
実際、こうしたご相談は少なくありません。
「外構もしなきゃいけないと思い始めた頃、初めてこんな現実を知った」という方も多いです。
歩道との段差が高く車が擦ってしまう──そんなお悩みからのご相談が増えています。お施主様からは皆、同じ言葉が返ってきます。
「誰も教えてくれなかった」「ローンの時も、誰もそんな話してくれなかった」と。これが現場のリアルです。
無許可で行った場合のリスク
- 原状回復命令を受けることがある
- 建物の検査未承認で引渡しができないケースも
- 通行を妨げた場合は、過失責任や損害賠償の対象になることも
正しい順番で進めることが一番の近道です
お見積りやご相談の前に、まずは一度、行政窓口へ確認されることをおすすめしています。
申請方法や復旧の基準は地域ごとに少しずつ異なり、書類や構造も細かく決まっています。
先に仕組みを知っておくことで、話が早く、正確に進みます。その上で、「どこまでが市の管理区域なのか」「どこまで施工できるのか」を一緒に整理させていただきます。
メイクプラスターの立ち位置
「誰も説明してくれない」「どこに相談すればいいかわからない」──そう感じている方の力になれることに意味があります。
メイクプラスターでは、道路加工工事・乗入れ拡幅・縁石(歩車道境界ブロック)改修・L型側溝入れ替え・道路復旧など、行政申請を含めた一連の流れを可能な限りサポートは致します。
信頼される外構業者とは
本当に信頼される外構業者とは、“できないことをできない”と正しく説明できる会社です。
縁石や地先境界の扱いを正しく説明できる業者は、三重県内でも多くはありません。
メイクプラスターは、法令遵守・行政連携・施工品質を三位一体で行い、施主様にとって安心で誠実な外構づくりを目指しています。
まとめ
- 歩道・縁石・L型側溝は市や県の管理地
- 工事には道路工事施行承認申請(道路法第24条)が必要
- 乗入れ・拡幅などは承認を得た施工業者が実施
- 住宅会社では教えてくれない“道路加工の盲点”がある
道路や外構は、暮らしの安全と快適さに直結する大切な部分です。正しい順番で、確実に進めていきましょう。









